飲食店の社員はなぜ辞めるのか?

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これまで飲食の世界についての記事を明るく書いてきましたが、実際に飲食店で働いている人たちの中には「つらい」「辞めたい」と言っている方も少なくはありませんし、実際に数字面で見ても、これなら辞めたくなっちゃうのかな…と思ってしまいます。

そこで今回は、「飲食店スタッフはなぜすぐに辞めるのか?」をテーマにして、現代における飲食店での仕事から深掘りをしていきます。

その中で、飲食企業は今後どうしていくべきか?働くアナタはどう就職活動をすべきか?をお話ししていければと思います。



飲食店で働く社員の本音

どれだけ飲食店で働いている社員が辞めたいのか、まずはGoogleでの検索候補を使って調査をしてみました。

Googleで検索したいワードを入力しようとすると検索候補が出てきますよね?
これはさまざまなユーザーが入力した検索ワードをGoogleが集計して上位の検索ワードを検索候補として表示しているといわれています。

この検索候補を利用して「飲食 仕事」と入力すると、

飲食 仕事 辛い
飲食 仕事 きつい

というワードが検索候補の上位にあがってきました。
なんてネガティブな検索候補なんだ…

そして、辞めたいと検索している人はどれくらいいるか「飲食 や」と入力したタイミングで出てきた検索候補が

いやいやいやいやいや!!!

飲食 やめてよかった
飲食 辞めたい
飲食 やめとけ
飲食 ヤバい
飲食 辞める

検索候補の上位、過半数がネガティブな内容じゃないですか…!!

個人的に一番つらいところが「飲食 やめてよかった」というワードが候補にあがっていたことですね。
それくらい飲食店で働く社員の方々は大変な心境なんでしょうね、、、



そこまでして飲食店の社員が辞めたくなる理由は何なのか?

では、飲食店の仕事を辞めたくなる理由はいったい何なのでしょうか。

飲食店で働く社員の方々にお話を複数うかがった中でデータでの数値面と一致する話ばかりだったので、まとめてみました。


みんながどんどん辞めていく…

辞めていくスタッフをみていると
「みんなどんどん辞めていくし、自分も辞めよう…」
「人が少なくなった分、仕事量がまた増える…」といった気持ちが強くなるんだとか。

それもそのはず、離職率に関しても厚生労働省が出した統計データによると 飲食産業の退職率は全産業の中でぶっちぎりの1位なのです…!

ぶっちぎりという点ですが2位の娯楽産業は20%で、対する1位の飲食産業は30%。
つまり10人中3人が辞めるという、とんでもない数値なんです…。


とにかく働く時間が長すぎる…

これに関しては飲食店の営業時間が長いことが理由になっているかもしれないですね。

飲食店はランチとディナー営業で分かれていて、他の産業では2シフト制を導入しているのが普通かもしれませんが、 基本は通しで仕事をすることが多いのが飲食の世界です。

そのために、プライベートなどあったもんじゃないです。
起きる→仕事→休憩・賄いを食べる→仕事→食事→寝る
これで1日が終わります。

実際に厚生労働省が出した統計データによると、全ての産業の中でTOP5に入るほどの労働時間の長さなのです。

さらにこのTOP5ですが製菓と製パン、宿泊関連のものは別で分かれているので、労働時間の長さランキングの上位は食に関わる仕事が占めているということになります。


それなのに休みも少なすぎる…

飲食店を経営している企業の中にも、今では月8日休み、週休2日制を導入しているところも増えてはきました。

しかし、未だに週休1日であったり、隔週で週休2日でやっているところもかなり多いです。

とくに料理長や店長などの管理職の立ち位置になるとさらに休みが少ないのは言わずもがな。

この姿を見ているからこそ、アルバイトの子たちは「飲食での正社員はやめておこう…」と思ってしまうのかもしれません。

こんな休日取得の状況では、飲食業の有給休暇の取得率はいったいどれくらいなのか…?

「あぁ、もう怖くて調べたくない…」なんて思いながら、調べてみました。

結果は予想通りで 有給取得率もワーストでした。
数値はなんと、30%台です。

世界と比べてみても、日本人の有給取得率は50%で圧倒的に低いといわれています。

その中でも、飲食産業が取得率を低くさせてしまっている要因のひとつとなってしまっているのです。


もう体力の限界!

キッチンスタッフもホールスタッフもそうですが、飲食店の仕事は体力的にキツいと感じるところが多いです。

ずっと立ちっぱなし、重量のある調理器具・食器類を扱う、厨房が暑すぎる…などなど、あげればキリがないんだとか。


労働時間長い・休み少ない・激務なのに、給与が安い…

ダメ押しもダメ押しですね…。
ここまでネガティブなことが理由が続いてるんだし、その分なにか良いことがあるんでしょ?
と、思いきや物理的な部分でもやっぱりキツいんです…。

平均賃金(年収)に関して厚生労働省の調査では1位である金融・保険業の460万円前後。

それに対して飲食業の平均賃金(年収)は270万円前後で金融・保険業と約1.7倍もの差を着けてワーストTOP3内に入っているのです。

こうもなると、いよいよ飲食のお仕事をやめたくなる気持ちも分からなくもないですね…。



飲食転職


飲食店側・企業側はどうしたらいいのか?

人がどんどん辞めていってしまう理由はわかりましたが、飲食店側・企業側はどうしたらいいのでしょうか?

現状、「飲食店の仕事=ブラック」というイメージを持たれてしまっているので飲食業界は常に人手不足になっています。


有効求人倍率

人手不足の話をするその前に、みなさんは「有効求人倍率」という言葉をご存知でしょうか?

有効求人倍率とは、求職者一人に対して何件の求人があるかを示したものです。

たとえば、求職者が100人いるとして、求人が300件ある場合の有効求人倍率は3.0倍ということになります。

つまり倍率が高いと就職がしやすく、低いと就職がしにくいということで、有効求人倍率をみれば「就職のしやすさ」がわかるのです。

ちなみに、日本の有効求人倍率は厚生労働省の調査によると2019年は1.55倍から現在は1.32倍となっています。

コロナウイルスの影響により前年より低下しており、就職がしにくいものと推測されているようです。

では、飲食店の有効求人倍率はどうでしょうか?
前述での全業種平均1.55倍に対して、なんと飲食店は、2.99倍!!

めちゃくちゃ「就職しやすい」んですが、とにかく「応募がない」んです。


応募が来るようにするにはどうしたらいいか?

飲食店側・企業側に気をつけて欲しいことは募集をかけることも大切ですが、「スタッフが辞めない体制を整えること」です。

前述の通り、すぐ辞めてしまう飲食店のお仕事。
もし、募集があったとして採用をしてもすぐ辞めてしまうかもしれません。

だからこそ、辞めてしまう原因にちゃんと向き合ってどうしたらいいかを考えることからまずは始めましょう。

「そんな簡単に体制なんて変えられないよ…」と思っている採用者もいるかもしれません。

しかし、無理と思っていたらずっと変わることはなく、いつかの最悪の状況は「人手が足りずお店が出せない」なんてなることは間違いないでしょう。

すぐには変えられないとしても、少しでも変えている姿勢であったり、 今こういう企業努力をしています!というようなアピールを見せれるといいでしょう。

また、求職者側が「書いてあった求人内容と全然違った」とよく聞きます。
これは募集側の言い分としては「そう書かないと応募が来ない」なんていう、本末転倒なことを言うのです。

これで応募が来たとしても、すぐに辞めてしまうのは間違いありません。
それなら、現状を伝えた上で労働環境を変えるための企業努力を面接で求職者側に伝えることが大切なのです。


求人はどこに出したらいいか?

体制を整えてた、もしくは修正の方向性は見えた。
さぁ、求人を出そう!ということで、どこに出したらいいのか?

無料で掲載するとしたら、ハローワークがいいかもしれませんがあまり期待はできないでしょう…。

また、クックビズ やグルメキャリーといった雑誌や求人サイトへの掲載の方法もあります。
しかし、システムとしたら掲載料を払って求人を載せる…というものなので、もし応募が来なかったとしてもお金が発生してしまうのがつらいところですね…。

しかも、こういった雑誌や求人サイトの応募は未経験者からどんな人でも応募ができてしまうので求めている人材が来ない、、、
つまりミスマッチ人材が来てしまう可能性があるのです。

そこでおすすめなのが、飲食業を専門にして人材紹介をおこなっているエージェント企業です。
エージェント企業は多数存在しますが、「飲食専門」でやっているところもあります。

こうした「飲食専門」のエージェント企業のスタッフは飲食の人事担当出身や、長年飲食店での経験がある者など飲食業界に精通した人たちが多いです。

こうしたスタッフが求職者と面談をおこなって、企業側へ推薦をしますのでミスマッチが起こることはそこまでないといえます。

さらに、料金に関してもエージェントによって様々ですが「成果報酬制度」という、求職者が入社したタイミングで支払うシステムです。

つまり、何件も応募が来ても、何人面接しても入社するまではお金がかかることはありません!

そこで、飲食専門の人材紹介をおこなっているエージェント企業の選び方としてのポイントは

・求職者のエントリー・面談数が多い

・自分のお店・企業のことを理解してくれて、求職者にちゃんと売り込んでくれる

・中途の人材紹介だけでなく、一貫して採用コンサルティングをおこなっている

この3つに注目して選んでいけば、確実な人材確保と労働環境の改善を図ることができるでしょう。


飲食を辞めようとしているアナタへ
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アナタはどうして飲食のお仕事をはじめようと思いましたか?
アナタはどうして飲食のお仕事を続けたいと思ったのでしょうか?

それは誰もが理由があると思いますが共通していえることが結論として「飲食の仕事が好きだから」ですよね…?

前述をみていると、飲食の仕事を辞めたくなる理由は「仕事の内容」というよりは「環境の問題」がほとんどというのがわかります。
つまり、「飲食の仕事は好きだけど、時間的・体力的・給与的につらい」のではないでしょうか…?

それならば、「時間的・体力的・給与的な部分」を改善できれば続けられる余地はあるといえます。
そこでこの環境をクリアしているところで働けば続けられるかもしれませんよね?

とはいうものの、
「飲食店なんて、どこも一緒だ」と思われている方も多いので、結果飲食の仕事を辞めている方もいますし、 なかには一社目、一店舗目なのに判断してしまう方もいるでしょう。

しかし、「飲食店なんて、どこも一緒だ」という答えはNOです!

経営する側も今後のことを考えて「人材確保を一番に考えることが、大切」と気づいているところも徐々に増えてきています。

つまり、スタッフが辞めないような体制づくり、企業努力をしているところが増えているのです。

そこで、スマホが普及している今、ネットで様々な求人情報がみられると思いますがどこの求人がいいかわからないですよね…?

そこで、おすすめなのが飲食専門の紹介会社です。

リクルート・エージェントやマイナビなど総合的な紹介会社もありますが、飲食の求人に関してはそこまで多くはないですし、 飲食の仕事に精通しているスタッフも限られています。

なので、飲食専門の紹介会社なら飲食に特化しているので求人数は豊富ですし、 スタッフも飲食店で経験されていた方や人事採用をされていた方が多く在籍しているので、お話もしやすいところがメリットといえます。

そこで飲食専門の紹介会社を選ぶポイントは

・求人数が多くて、求人の質がしっかりしている

・スタッフが飲食店出身・人事の経験があり求人内容を理解している

・履歴書の作成サポート、面接の対策を個別におこなっている

・入社後・今後のキャリアに関してのアフターサポートが充実している

このポイントで選べば、失敗しない転職活動ができるでしょう。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回はかなり重い話ではありましたが、飲食店の仕事は未だにブラックといわれてしまっています。

全体的に徐々に改善されてきてはいますが、一般的な見解としてはまだまだといえます。

だからこそ、店舗側・企業側は現状を変えるべく労働環境の改善に努めて、人が辞めない環境づくりを整えることが大切です。

そして飲食店で転職を考えている方も、体制が整っている・努力をしているところを見つけられるように、飲食専門の転職エージェントなどを利用して失敗しない転職活動をおこなえるようにすれば、自ずと「飲食店はブラック」という偏見もなくなるのではないでしょうか?




この記事を書いた人
クックくん顔
クックくん

食べるのも料理するのも大好きなアラサーフリーター。
休日は美味しいものを求めてプチ旅にでます。
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