経営の基礎であるQSCを学ぼう!

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QSC。
飲食店で働いている方や、接客業をされている方も一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?

QSCは飲食店を経営するに至って、基本中の基本的な考え方です。

QSCが意識できていれば良い飲食店として売り上げもしっかり取れているはずですし、逆に疎かになってしまうと、閉店の道を辿ってしまうのは自明の理です。

そこで今回は、QSCについてお話してまいりますので、将来は自分の飲食店を開いて独立したい方や今後は飲食店で働きたい方はぜひ読んでいただけたらと思います!


そもそもQSCってなに?

それではここで、QSC (キューエスシーといいます)についての説明をしていきましょう。

前述のとおり、現役で働いている方はもちろんのこと、飲食店でアルバイト経験があった方でも知っているであろう、この言葉。

QSCは略称になり、三つの言葉の頭文字をつなげたものになります。

さぁここで問題ですが、このQSCに含まれる三つの言葉はご存知でしょうか?

正解は下記の通りです。

・Quality (クオリティ)
・Service(サービス)
・Cleanliness(クレンリネス)

これらの項目を意識していれば、お客様から愛されるお店、つまり潰れない飲食店になれるのです。

それでは、この三つの項目について説明してまいりましょう。


Quality (クオリティ)

日本語に訳すと、「品質」。
飲食店でいうと、お出しする料理や飲み物の品質を指します。

品質に関わる味について、もちろん美味しい料理・飲み物であることはもちろんですが、 いつ来ても変わらない味にすることが大切です。

ほかにもポーション(分量のことをいいます)は適正値で出せているか、温かい料理は出来立てのままで提供できているのかなども品質に関わってきます。

「そもそも美味しくない…不味い…」
「前回頼んだ料理が美味しくてまた頼んだのに、今回はやけに味が濃い…」
「連れと同じ料理を頼んだのに、見た目も量も全然違う気がするな…」
などなど、クオリティの低いメニューを提供してしまうとお客様の満足度は下がってしまいます。

飲食転職


Service(サービス)
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ここに関しては、スタッフの接客力のことを指します。
しかし、接客=ホールスタッフというわけではなく、キッチンスタッフも含めた全スタッフという認識は忘れないでください。

言葉遣いが丁寧・笑顔が素敵であれば心地良い接客ができていますし、料理の説明やメニューのご提案、空いているグラスを見つけられることなどがお客様の満足度に繋がるのです。

一方、接客対応はとても良かったが、営業中なのにスタッフ同士で仕事と関係のない雑談をしていたり、料理・飲み物をドンッ!と置いてしまうと不快な思いを感じてしまうので十分気をつけましょう。


Cleanliness(クレンリネス)

日本語に訳すと、「清潔さ」。
スタッフの清潔感ある格好もそうですし、飲食店経営の基本の一つである衛生管理面が大きく占めているでしょう。

オープンキッチンでなくてもキッチンは清潔な状態か、お客様が座る椅子、料理を置くテーブルはきれいになっているか、食器類に汚れはついていないかなど、注視しないとお客様から「汚いお店」とレッテルを貼られてしまいます。

また、昨今のコロナウイルス感染症が蔓延している中、感染リスクを抑えるための対策や消毒の徹底を続けていかなければいけないので、より一層の努力が必要といえます。



QSCを上げるにはどうしたらいいのか?

各項目について話していく中で、対策や改善策も少しお話ししましたが、 この施策を始める前にもっともっと根本的なことを考える必要もあるのです。

それはスタッフの満足度、いわゆるES(Employee Satisfaction)を上げることです。

QSCに影響を与えるのはスタッフたちだから、そのスタッフたちのモチベーションを上げていこうという考えです。

ESを見直すことによりスタッフの退職を防ぐこともできますし、モチベーションがあがることで自発的に動いてくれるため仕事もスムーズに進むので、まずはESを上げることから考えていくと良いかもしれません。

ES向上への取り組みとして物理的な話になると、福利厚生の部分です。
食事補助もそうですし、チームでBBQを開催することや、独自の福利厚生を考えることで、スタッフに目に見えるものとして効果があるといえます。

そしてもうひとつ重要なものとしては、給与面や労働時間などの労働条件です。
まずは時給を上げていくことになりますが、そのための評価制度をしっかりシステム化することが大切ですね。

労働時間に関しては難しいことだとして、目をつむってしまう管理職の方が多いかもしれませんが、まずは現状としっかり向き合ってみましょう。

無駄な残業はないか?この仕事はもう少し効率的にルール化できないか?など、考えて行動してみるのです。

もちろん、その改善がうまくいけばES向上に前進できていますが、そんな簡単にうまくいくことも珍しいです。

改善策はどんどんトライ&エラーを繰り返していき、いい改善策が見つかるものだと思います。

そして、この姿勢は必ず周りのスタッフも見てくれています。
アナタが良い環境へ変えようと頑張っている姿に、協力してくれるスタッフも増えてくるはずです。
そこで結束力も高まっていき、改善された時にはESも上がっているはずです。

最近の飲食店ではHをあわせたQSC+Hが主流!?

前述ではQSCは飲食店経営の基本とお話ししていましたが、最近このQSCとあわせて「H」を追加しているところも増えているそうです。
この「H」についてですが、皆さまはなにを思い浮かべますか…?


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答えはHospitality (ホスピタリティ)。
かなり広い意味で使われる言葉ですが、いわゆる「思いやり」「おもてなしの精神」ですね。

Serviceと少し重なる部分があるかもしれませんが、Hospitalityはスタッフ一人ひとりの人間力が試されるものといえるでしょう。
それではHospitalityについて、もう少し詳しくお話ししていきましょう。


正解も不正解もないからこそ難しいホスピタリティ力!

前述ではホスピタリティとは「思いやり」「おもてなしの精神」とお話ししました。

少しフワッとした印象を持たれている方に向けてもう少し噛み砕いて話すと、「こういうことをしたら、お客様は喜ぶんじゃないかな?」という考えをもって行動をしてみること、となればイメージがつきやすいのではないでしょうか?

そこで突然ですが、ホスピタリティ力のテストです!


アナタは居酒屋の店舗スタッフです。
働いている時に3人のお客様が御来店していただけました。

そこで、注文を受けるアナタ。
生ビール3つ、キムチ盛り合わせ、焼き鳥盛り合わせ(6本セット)、チーズコロッケ(2個セット)…
注文の確認もした!さぁ、注文をキッチンスタッフへ伝えに行こう!

と、いう場面です。
アナタはいつもどおり注文を受けました。決してお客様からもクレームもありません。

しかしこの場面で、お客様に向けてなにかひとつご提案をしていれば、喜んでくれたかも!?という箇所がひとつあります。どこだかわかりますか?

実は、この場面は実際に筆者の私がお客として、とある飲食店行った時の話なのです。

ここで、注文を受けていた店舗スタッフの方は 「チーズコロッケですが、100円でもう一個追加できますがいかがでしょうか?」と、提案してくれたのです…!

「ここのチーズコロッケは美味しいけど2個セットだから、切り分けて食べようか」と3人で話していたのですが、まさかのこんな提案してくれるなんて、驚きました。

おかげさまで、おいしいチーズコロッケをみんなひとりひとりで楽しむことができました。

今回の私の時は大正解だったのですが、不正解の可能性もあるのです。

もしかしたら、3人のなかでチーズが嫌いな人がいるケースや、女性3人だったら、油ものだし、切り分けて食べた方がよかったのかな…?なんてことも考えられますよね。

こういうように、正解・不正解がないものになってしまいますが、たとえ不正解だとしてもまずは「気づくことのできる力」がホスピタリティには必要だと思えます。


まとめ

いかがでしたでしょうか?
QSCが飲食店で働くすべての方々に意識してほしいことだと、わかっていただけたでしょうか?

QSCに関してはすぐに行動・実践できることが多いと思うので、まずは始めてみましょう!

そのためにはお店の現状をしっかり把握すること、スタッフに共有することが大切です。

そして、美味しい料理を出すだけ、マニュアル通りに接客するだけの飲食店では、機械化・AI化も進んでいる飲食業界でいつかは生き残れない時代が来るかもしれません。

そのためにも人間だからこそできる「ホスピタリティ」の精神を持って、お客様に喜んでいただける飲食店を目指して、今からその意識を持つことが大切ではないでしょうか?




この記事を書いた人
クックくん顔
クックくん

食べるのも料理するのも大好きなアラサーフリーター。
休日は美味しいものを求めてプチ旅にでます。
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