FC、またはフランチャイズという言葉はご存知でしょうか?
これは飲食店の中でも、マクドナルドや牛角などの全国に店舗を持つ有名チェーンから、今後の店舗拡大を狙っている中小企業まで、多店舗展開をしている企業が行っているビジネスモデルのひとつです。
とはいうものの、そこまでフランチャイズのことを詳しく知らなかったので、今回はフランチャイズについて、いろいろ調べてみました!
フランチャイズ契約に興味のある方、またはこのビジネスモデルをやってみたいという方にぜひ読んでいただけたらと思います。
調理師免許も持っているわけでもないので専門店は開けないけど、自分で飲食店を開いてみたい、稼いでみたい!
でも、経営のノウハウもわかっていない…という方におすすめなのが、フランチャイズ店で開業をすることです。
フランチャイズ店で開業することを簡単に説明すると「他の企業が作ったブランドを借りて、そのノウハウを使い飲食店経営をすること」です。
つまり、例えてお話をすると牛角の看板を借りて店内を作っていき、牛角のメニュー・レシピを教わって「牛角の支店」として経営する…となればイメージがしやすいでしょうか?
フランチャイズ契約の簡単な流れとしては下記の通りです。
1.お店を経営したい側(以下フランチャイジー)が、「あなたのところの看板・経営ノウハウを使わせてください」という名目で、ブランドを持っている企業側(以下フランチャイザー)に、まずは加盟金を支払います。
2.フランチャイザーは店舗開発を進めていきながら、フランチャイジーに経営のノウハウを教えていきます。
3.店舗オープン後はフランチャイザーからアドバイスを受けながら、フランチャイジーは経営をしていきます。
4.フランチャイジーはブランド・経営ノウハウを使っているので、そのロイヤリティとしてフランチャイザーに契約の際に交わした方法でどんな状況でもお金を支払います。
フランチャイズ契約でこの後もうすこし詳しくお話しする中で、覚えておいていただきたいのが
「フランチャイジー(ブランド・経営ノウハウを受け取って経営する側)」と
「フランチャイザー(ブランド・経営ノウハウを渡す側)」です。
では今からフランチャイジーとフランチャイザーについて、それぞれの視点でみながらお話ししてまいります。
前述の通りフランチャイジーはブランド・経営ノウハウを受け取って経営する側を指します。
つまり、フランチャイジーが経営する店舗が「FC店」とよばれるものになります。
フランチャイジー側はメリット・注意点がハッキリしていますので今からお話ししてまいります。
これこそがFC店をする大きな理由のひとつといえるでしょう。
無名の飲食店より、有名な飲食店の支店だったら見慣れているお店の方へ行ってしまうのではないでしょうか?
これはブランド力あってのことで、ファンがいる状態でオープンできるのは魅力ですよね。
さらに、集客についてはフランチャイザー側が実施してくれるケースがほとんどなので、広告費をあまりかけずに済みます。
全くの未経験だとしても、お店を建てる立地選びから店内の構成、そして店舗運営までほぼほぼフランチャイザーがサポートしてくれます。
運営ノウハウから接客マニュアルまで、研修もしっかりしてくれるのでその点の心配も無用です。
また、オープンした後も継続的にフランチャイザー側の本部担当者である、スーパーバイザー(通称SV)が経営についてアドバイスをしてくれるので、安心して店舗運営ができます。
これがフランチャイジー側にとっての一番のネックになるものだと思います。
まず契約をする前に加盟条件として、数百万円から高いところだと数千万円の加盟金を支払う必要があります。
また、オープンしてから発生するロイヤリティに関しては、どんな状況下であってもフランチャイズ契約をしている場合は払い続けなければいけないのです。
加盟金はかからないがロイヤリティが高いところもあるので、契約内容をしっかり読み込んでフランチャイザーと話し合いながら、慎重に契約締結をおこないましょう。
契約内容にもよりますが、「元々のブランド」が第一なので、マニュアルに沿った経営をしないといけないですし、オリジナルのメニューも作ることができないところがほとんどです。
つまり、良い意味でも悪い意味でも自由度が低いです。
また、フランチャイズ契約が終わった後でも独自のブランドで同業種の出店を禁止しているところがほとんどなので、その点も注意が必要ですね。
メリットとしても「ブランド」のお話をしましたが、現在スマートフォンやSNSの普及によって、簡単に口コミができる時代になりました。
そのためにお店でなにか事件があった場合はブランドの人気が急速に低迷してしまい、全店舗に影響が出てしまうので、十分注意しましょう。
前述の通りフランチャイザーは、ブランド・経営ノウハウをフランチャイジーに渡す側を指します。
つまり、フランチャイザーが直接経営をしている店舗は「直営店」ということになります。
直営店のみで店舗展開して経営するだけでも収益が取れていれば問題はないと思いますが、自社ブランドのフランチャイズ店をどんどん増やすことができれば、継続して収益が取れるのです。
その点を踏まえて、フランチャイザー側のメリット・注意点についてお話ししてまいります。
フランチャイザーはフランチャイズ契約をおこなう際に、フランチャイジーに加盟金を設定しています。
この加盟金、ピンキリではありますが100万円から、高いところだと数千万円ほどの設定をしています。
ちなみに牛角を経営しているレインズインターナショナルは自社サイトで確認したところ、牛角のフランチャイズ契約をおこなう際には1,000万円(税別)の加盟金を条件としているようです。
こういった加盟金収入は一回で高額の固定収益を得られるので、大きいメリットのひとつといえるでしょう。
ロイヤリティとは契約内容によって様々ではありますが、「現在の経営を続けるためのブランド・ノウハウ・システムなどの使用料」「今後も経営の仕方を教えますよ」などといった名目のもとでフランチャイジーが支払うお金のことです。
ロイヤリティの設定方法もフランチャイザーによっていろいろありますが、よくあるケースは下記の通りです。
・「売上高の○%」といった売上によって変動する設定
・毎月決まった額を徴収する定額設定
・フランチャイザーが指定した材料を買ってもらい利益を得る食材差益設定
売上によって変動する設定については、飲食店で一般的なのは大体3%〜7%だそうで、前述でもお話ししたレインズインターナショナルは売上の5%で設定していました。
食材差益設定について事例をお話しすると、ラーメン業態で最近店舗数を伸ばしている「町田商店」を経営している株式会社ギフトも食材差益設定で徴収をしています。
ギフトは加盟金を設定していないのですが、ラーメンに使う麺とスープをフランチャイジーに買ってもらうことによって、収益を得ています。
根本的にブランド自体が良くなければ、フランチャイジーが契約したいとも思いません。
ですので直営店でたしかな実績を出すのはもちろん、売上実績をだすことのできる経営マニュアルをしっかり作り込む必要があるでしょう。
また、ロイヤリティや経営に至る細かいルール設定などが記載されていない穴だらけの契約内容になってしまうと、裁判沙汰になった際に圧倒的に不利となってしまいます。
こういったことにならないように、フランチャイズ契約書に関しては弁護士と何回も話し合いをしながらスキのないものを作る必要があります。
ここがフランチャイザーの一番大変なところといえるでしょう。
FC店には、直営店と変わらない質の店舗を作ってもらう必要があります。
しかし、各フランチャイジー側にもそれぞれの考え方があるために質にばらつきが出てしまうのです。
さらに、FC店も直営店もですが、食中毒などの何かのトラブルが起きた場合は全店舗に影響が出てしまうので、そういったことも含めて店舗管理の徹底は必須といえるでしょう。
そのため、フランチャイズ展開を考えている企業はFC店の巡回や管理ができる体制を整える必要があり、SVやエリアマネージャーなどの人材が足りていないと厳しいといえます。
いかがでしたでしょうか?
フランチャイズ契約は双方に大きいメリットがあるとはいえ、その分注意しなければいけない部分もあることがわかりました。
フランチャイジー側は提示された契約書をよく読みこんで、交渉できるところは必ずして納得した上でサインを書きましょう。
そして、フランチャイザー側からの考え・経営ノウハウをしっかりと体現していけば、自ずと売り上げは伸びるのではないでしょうか?
そしてフランチャイザー側は、いかにFC店の管理ができるかどうかに掛かっています。
そのためには、SV・エリアマネージャーといった管理職の育成も含めて、そもそものフランチャイザー自身の企業の人材確保にも力を入れる必要があるかと思いました。